幸せに成功するお金の話
FPオフィスフォルテシモのスタッフ、有田、世継、元木によるお金に関するコラム「幸せに成功するお金の話」です。様々な角度からお金について考えてみました。どうぞお楽しみください。
Vol 内容 スタッフ
Vol.1 「幸せに成功するお金の話」 有田 裕輔
Vol.2 「あなたの鞄にはなにが入っていますか?」 世継 祐子
Vol.3 「請求もれはありませんか? 元木 圭子
Vol.4 「それって幸せなこと?」 有田 裕輔
Vol.5 「何のために医療保険に加入しますか?」 世継 祐子
Vol.6 「お金で幸せは買える?」 元木 圭子
Vol.7 「1000円の価値」 有田 裕輔
Vol.8 「幸せに一歩近づくために」 世継 祐子
Vol.9 「人はただ生きているだけで価値がある」 」 元木 圭子
Vol.10 「マネーについての約束事」 」 有田 裕輔
Vol.11 「幸せとお金の関係 」 世継 祐子
Vol.12 「寅さんにみる幸せとお金」 元木 圭子
Vol.1 幸せに成功するお金の話  有田裕輔

アベノミクス相場で日本株式も大きく上昇し、株はいつ買えばいいの、「今でしょ!」という状況が続いています。
私たちにも投資に関するご相談が増えてきました。 書店に行けば、「脱サラして月に1000万円稼ぐFXレッスン」「3時間で分かる株の授業」といった本がならべられています。 しかし、それらの多くは、「儲ける方法」を中心に書かれており、お金や投資の本質について書かれているものはほとんどありません。  お金に関する面白いアンケート結果があります。  日本の中高生のお金に対するイメージです。「美しい」17%、「汚い」83%、生きていく上で必ず必要なお金に対する若い世代が持つイメージが、「お金は汚い」というすこし寂しい結果がでました。 

日本には昔から「清く貧しく生きる」ことを美しいと考える「清貧の思想」がありました。 その思想が誤って解釈されてしまい、「金持ちは汚い」といったイメージを植え付けたのでしょう。 「貧しいこと」そのものは決して美しいものではありません。 貧しくある必要もありません。現代社会では清らかで豊かになることを目指す「清豊の思想」こそが大切なのではないかと思います。 清らかで豊かに生きることで、周りも豊かになり、明るい未来を作ることができればとても素敵なことだと思います。
「お金」「や「投資」には豊かな明るい未来をつくる力があります。目先の儲けを追いかけることではなく、清らかで豊かに生きるための「お金」と「投資」について考えてみてはいかがでしょうか。

Vol.2  あなたの鞄にはなにが入っていますか?  世継 祐子

海外旅行に行くことになったとします。 旅行の場合、行き先を決めあらかじめ必要な準備をします。 行き先をきめず、当日、国際線ターミナルに行き、「ハワイ」に行こう思ったとしても、チケットを予約していなければ出発できないことも。 運良くチケットがとれ、到着したとしても安心はできません。快適で安全なホテルはどこ? お金は足りる? 言葉は通じる?不安なことだらけで、楽しいはずの旅行が、命の危険をも脅かすことになってくるかもしれません。そうならないためには事前に行き先を決め、チケットやホテルを予約し、目的地の情報を集めてレジャープランを立てておく。 ハワイに行くのにダウンジャケットを準備したり、オーロラを見に行くのに鞄にアロハシャツをつめ込む人はいないと思います。

旅行では当たり前の準備も、こと人生やお金のこととなると、なんの準備もせず、行き当たりばったりのことをやってしまいがちです。
きちんと準備している人と、準備を怠り行き当たりばったりの人とではその後の人生は大きな差がつきます。準備を怠ったり、間違った準備をしていると目標を達成できないばかりか、生活が立ち行かなくなることも考えられます。
ハワイに行きたい人と、オーロラを見に行きたい人との準備が違うように、目的地が違えば必要な準備も違います。ライフプランは十人十色。  難しく考えることはありません。5年後、10年後、老後はどんな自分になっていたいか、具体的に考えて、必要な準備を始めましょう。必要な準備をきちんとすることで、あなたの人生は自分らしい素敵なものになると思います。

あなたの目的地はどこですか?あなたの鞄にはなにが入っていますか?

Vol.3  請求もれはありませんか?  元木 圭子

 今回は、保険の「請求もれ」についての話です。 問題です。 5人の中で、保険の支払対象となる可能性がある方は誰でしょう。
*鈴木さん「目のレーシック手術をしたけど、入院はしていません」
*田中さん「健康診断で、大腸ポリープが見つかって内視鏡で取りました」
*加藤さん「雷が落ちて、パソコンの電源が入らなくなりました」
*山田さん「枕元に置いていたメガネを、うっかり自分で踏んで壊しました」
*藤原さん「家の駐車場に停めていた自転車を盗まれました」
答え。 全員、支払われる可能性があります。鈴木さん、田中さんは、医療保険に加入していれば手術給付金が支払われる可能性があります。 加藤さん、山田さん、藤原さんは、家財保険に加入していれば、保険金が支払われる可能性があります。  「可能性がある」というのは、加入している保険の内容によって保障内容が変わるからです 。同じ保険会社でも、加入した時期によって保障内容が違うことがあります。  あれ?これって保険で出るの?と思った方は問い合わせてみて下さい。 保険の時効は、生命保険が3年、損害保険は2年です。 時間が経つと分らなくなったり、忘れたり、どうでもよくなったりしますので、早め早めにチェックしてみて下さい。
これからの季節は、落雷などで家財道具が壊れたりすることがありますので、ご加入の保険の保障内容を確認してみて下さい。  保険は、当たり前のことですが、保険金を受け取るために入っています。 でも、現実は多くの方が入っただけで安心してしまい、もらえるはずの保険金や給付金を請求していないことも多いのです。保険は、請求しなければ、決して受け取ることはできません。 
請求もれはありませんか?
もっと詳しく聞きたい方は、FPオフィスフォルテシモへお問い合わせ下さい。

Vol.4 それって幸せなこと? 有田 裕輔

賃貸と持ち家はどちらがいいですか? 結婚するのって得ですか、損ですか? クルマを買うのとレンタカーを利用するのはどちらがいいですか? 子供の大学までの教育費は1500万円かかると聞いたのですが?等々様々なご相談を頂きます。 お金のこととなると分からないことだらけで不安でいっぱいです。  求めているだろうなと思う回答には共通点があります。 どちらを選択することが金銭的にその方にとって損なのか得なのかということです。
金銭面での損得は明快で、とてもわかりやすい判断基準です。 ファイナンシャル・プランナーですから、金銭的損得や「金のガチョウ」に卵を産ませるテクニックや知識のお話はいくらでもできます。  「何歳のときにどんなイベントがあって、それにかかるお金はいくら」などと書き込んでいくライフプラン表というものがあります。 基本的に未来のプランなんて細かくわかるはずがありません。たとえ、ライフプラン表の計画通りに進まなかったとしても、あまり気に病む必要はないのですが、最初に自分でプランを作り、その計画からずれたとき、どうしても焦りや不安が先にたってしまう人が多いのです。 未来は不確実なのだから、損も得もあって予定通りにいかないのは当然のことです。 しかし、すべてを「損得基準」で判断してしまい不安と焦りのスパイラルから抜け出せなくなってしまう。 価値判断基準を第三者から押しつけられていないか、自分自身と大切にしていることにとっての幸せのための基準なのかどうか、損得ではなく、もう一度原点に返り「目的を明確にする」ことから始めてみてはいかがでしょうか。

「豊かな人生」をおくるには「損得基準」からぬけ出すことが必要であると思います。 お金がないことが不幸であるということではありません。 目的の無いお金の所有は、自分を過信し、時として人を不幸にすることがあります。 未来に向かって生き、自分自身の未来をよりよくするために目的を明確にし、自分の意思で行動することが大事であると思います。不安は決して悪ではありません。幸せなお金は人生の目的についてくるものであると思います。

Vol.5 なんのために医療保険に加入しますか? 世継 祐子

若くて元気なときはいいけれど、老後の病気やケガのために 民間の医療保険に加入しておきたい。 保障は一生涯続いて、 保険料はずっと上がらないものがいい…こんなご相談をよく いただきます。  ここで医療保険に加入する前に考えて頂きたいことがあります。 「なんのために医療保険に加入するのか」ということです。 
病気やケガが心配だから…と答えるかたもいらっしゃると思 いますが、さまざまな医療行為の中で民間の医療保険が役立 つ部分は限られています。 入院したときの給付金や、手術を 対象としたものが多く一回の入院もさまざまな日数制限が設 けられています。 国の社会保障制度である健康保険は、入院 、手術以外にも通院、薬代、検査料などさまざまな部分が保 障されており、ひと月の医療費が高額になったときは「高額 療養費制度」などさまざまな制度があります。  
心配だから、安心のために保険に入っておきたい。 という気 持ちはよくわかるのですが、まずはすでにみなさんが加入し ている健康保険の保障を確認することから始めてみませんか。  え〜っ!3割負担だけが健康保険の保障だと思ってたけど、 こんな保障があったの?目からウロコでした。という方も。  国の社会保障と税の一体改革大綱に、医療制度の変化の流れ が打ち出されています。 これらの変化に対応するにはどのよ うな備えが必要になるのか、今後の政策を視野にいれて医療 保険を検討することが大切です。 
健康保険料や介護保険料を 支払っていく老後資金はどの位必要なのか、健康保険制度で まかなえない部分はどこか、なにを民間の保険で保障して欲 しいのか、よく考えてみましょう。 「なんとなく」心配していることを、「具体的に」なにが心 配なのか考えていきましょう。具体的な答え、備える方法が みつかると思います。

Vol.6 お金で幸せは買える? 元木 圭子

「お金で幸せは買えない」
「お金がなければ幸福な生活はできない」
お金と幸せについて、長年議論されているテーマです。  私たち日本人の幸福度はどうでしょうか。 国の豊かさを示すGDPとの関係で見てみましょう。 1960年、日本人の一人当たりGDPは約4,000ドルでしたが、50年後には約43,000ドルと、10倍以上になりました。一人あたりの経済活動量は飛躍的に増加し、それに伴い私たちが手にするお金も増えました。 もし、幸せと経済的な豊かさが連動するなら、日本人は50年間で10倍幸せになったはずです。 しかし、世界各国で自分の幸福度を10段階で自己評価をしたものによると、日本は6.5で1960年から50年間でほとんど変化がないのです。 
一方、北欧諸国は8.0前後と高く、他の欧米諸国の多くも7.0〜7.5、日本は主要先進国中、最低レベルなのです。  幸せな生活を送るのには一定のお金が必要です。 ただ、幸せかどうかは主観的な心の問題です。 バブル景気を経験した世代は、社会的地位や金銭的豊かさを、満足度や幸福と結びつける傾向があるように思います。 他方で、お金もモノも少ないけれど幸せを感じる若者が増えています。
今は、核家族がほとんどで、食事や衣服、そして家庭教育でさえ、昔は自分達でやっていたことを外部から買うようになり、ここに多くのお金が流れるようになりました。 しかし、お金が流れるほど、流れなくなるものがあります。 それは何だったのでしょう。 それこそが幸せをみとめる「心」ではないでしょうか。 経済が成長し分業が進むと、たいていのものはお金で解決できるようになりました。 私たちがお金で得た便利さと引き換えに失ったのは、そんな心だったのかもしれません。
お金を稼ぐこと、使うこと、そのどちらにも思いを込める事ができたら、そして感謝と愛の心を持つことができれば、幸せに一歩近づくことができるのかもしれません。

Vol.7 1000円の価値 有田 裕輔

福岡でも東京でも札幌でも1000円は1000円、絶対的な基準です。 お金自体の価値に差はありません。しかし、多くの場面で私たちはお金の価値を相対的に考えてしまうことが多いようです。  
今日、2つの買い物をしようと思います。 ひとつはボールペン、もう一つはスーツです。 文房具屋で2500円の気に入ったボールペンを見つけました。 買おうと思いましたが、15分行った別の店でセールをやっていて、同じボールペンが1500円で買えることを聞きました。あなたならどうしますか。 1000円節約するために、15分かけて別の店に行きますか? ほとんどの人は1000円のために別の店まで行くと答えます。
つぎにスーツです。 8万円するスーツを買うことに決めました。 その時、偶然会った友人から、15分先の別の店で全く同じスーツを79000円で売り出しているという情報を聞きました。あなたなら今度も15分かけて別の店に行いきますか。この場合、ほとんどの人が行かないと答えます。 これはどういうことでしょうか。 あなたの15分は、1000円の価値があるのかないのか。勿論1000円は1000円です。どんな数え方をしてもそれは変わりません。 考えなければいけないことは別の店まで行くことと、そのために15分余計にかかることが、それによって節約できる1000円に値するかどうかであり、1000円の節約になる品物の値段が、2500円か8万円かは本来関係ありません。 しかし、往々にして私たちは不合理な行動を選択しがちです。 いつものお金の習慣に疑問を持つことが大切ではないかと思います。 この習慣からどれだけの満足が得られるかを考え、思っていたものと同じだけの満足が得られるかどうか、もう一度目的を明確にすることから日常繰り返している習慣をチェックしてみてはいかがでしょうか。

Vol.8 幸せに一歩近づくために 世継 祐子

「百万円貯まったら、この家を出ていきます!」
映画『百万円と苦虫女』主人公鈴子のセ リフです。 鈴子は短大を卒業しましたが就職できず、しかたなくアルバイト生活を送って いるどこにでもいる女の子です。 どうにかして生活を変えようと考えている中で、ひょん な事件に巻き込まれてしまい……。 百万円貯めるたびに次から次へと引っ越しをして、い く先々の街で様々な出会い、経験をしながら自分の生き方をみつけていくお話です。  なぜ百万円か?百万円あればとりあえず家を借りて、次の仕事が見つかるまでの当座の生 活は凌げるから…。 主人公は100万円を貯めることに何度も成功し、引っ越しを繰り返し マイペースながらも人生の大切なことを学んでいきます。  「自分探しをしているの?」ときかれた主人公が「どうやったって自分の行動で、自分は生 きていかなくてはなりませんから。 探さなくったって、いやでもここにいますから。」 と答えたのが印象的です。 自分と向き合うこととお金と向き合うことはむずかしいこと です 。だけどそこから逃げていると結局その結果は自分にかえってきます。 不器用だけど 自分から逃げず向き合う主人公を蒼井優さんが演じています。

2014年は、4月から消費税が上がるなどお金をとりまく状況が変化する年です。 状況の変 化に対応していくことも大切ですが、それよりも大切なことは、自分の幸せを見失わない ようにすること。 未来のことを経験している人は誰もいないけれど、昨日の続きは今日で、 今日の続きは明日。未来というものはそんなに「まったく見えないもの」ではないように 思います。 
自分がどう生きたいかの目標がぶれなければ、それを実現するための方法、備 えがみえてくると思います。今年が幸せに一歩近づける年になりますように。

第9回  人はただ生きているだけで価値がある 元木 圭子

そんなこと当たり前じゃないかと思われる方も多いことでしょうが、これは、道徳的、宗教的、精神的な考え方だけではなく、「経済」とは何か?「お金」とは何か?を考えることにもつながっていきます。  
「お金」を稼ぐか稼がないか、あるいは所得が多いか少ないかという視点で人の価値を判断することもあるようです。だとすれば、年収0円の専業主婦には価値がないということになります。また、赤ちゃんや引きこもりやニートの人たちもそうなります。
しかし、果たしてそうなのでしょうか? では、経済という視点で考えてみましょう。経済とは、「お金」「モノ」「サービス」の流れのことです。私たちは、このしくみの中で働いてお金を得、消費者としてモノやサービスを買っています。お金を稼がなくても、どのような立場の人でも消費者になるのです。赤ちゃんがいるからこそ、赤ちゃん用品であるおむつやベビー服、おもちゃなどの商品が開発され、商品化され、販売されています。例えニートで部屋に引きこもっていたとしても、食料品などを間接的には消費をしています。
消費には二通りあります。一つは、無駄遣いをして必要のないものに使う消費。また一方は、自分にはちょっと高級かなと思っていたシャツを買う為に使ったお金、仲間との楽しい時間を共有するための少し高価な食事、目標を達成するための自己投資。後者の方は、豊かな暮らしや時間をもたらすことができます。
「お金」に対する考え方は、いかに収入を増やすか、貯蓄を増やすかという方向に注力されることが多いのですが、豊かなお金の使い方、そして良い消費者になるということを考えることで、幸せな自分に気づくことができるかもしれません。

第10回  マネーについての約束事 有田 裕輔

何かと言うと「安心」「安全」ということばが当たり前のように使われる日本。
まるで世の中で一番大切ななことは「安心」「安全」であるかの様だ。勿論、「安心」「安全」は精神的な安らぎをもたらす大切なものだ。
一方で、人生において何らかの利益を得るためには、自分の物や時間や精神的安らぎ等をリスクに晒さなければならないことも知っている。給与だけで金持ちになれないことも理解しているが、人生はすべてギャンブルであることは否定したいし、できるだけ「賭け」をしないで最良の人生を過ごしたいと考える。

宝くじに当たるような偶然を除いては、利益を得る賢明な方法は、リスクを回避することではなく、自らをあえてリスクに晒すことである。更に可能であればリスクをコントロールすること。リスクを分散させる一つの方法としてウォール街の格言に、「ひとつの籠にすべての卵を盛るな」というものがある。多くの人が知る公理ともいわれるものだが、最近は、金融機関の投信のセールストークにつかわれている。ウォール街のもう一つの格言、「すべての卵は一つの籠に入れろ、そして籠を守れ」というものがある。「多くの籠を見守るより、少しの籠を見守る方が簡単だ。キツネが卵を盗もうと近づいたら、ぐるぐる走り回らなくてもキツネを追い払うことができる」という格言も覚えておくべきだ。

私が証券会社に入社した84年から90年までで日経平均は約3.9倍になったが、一般の投資家の約9割は儲けられず逆に損した。より多くの見返りを求めるということは、よりリスクの高い投資先に向かうということ。分散投資といえどもノーリスクではない。怖いことに多くの人は自分でそうしたリスクを認識することなく投資を行っていることである。
販売サイドが圧倒的な力を持つ日本の市場において騙されず、後悔しない美しい人生を送るためには、最低限の金融リテラシーを身につける必要がある。氾濫する情報に左右されず、自分がコントロールできることとできないことを明確にし、幸せに成功するチカラをつけていきたい。

第11回  幸せとお金の関係 世継 祐子

2014年4月から、消費税が5%から8%に上がりました。 3%でスタートした消費税率ですが、5%になり10%まで上がることが決まっています。

65歳以上の人口がピークを迎えるのは、これから30年後。 ますます少子高齢化が進むため今後も負担増が続くと考えておく方が自然です。 これからは限られた収入を、より有意義に使うことが大切になってきます。 いままで以上に家計の管理が大切になってきますね。
増税のときこそ、見方を変えることが大切です。 使えるお金が減っても、できることはたくさんあります。 お金はとても素直なものです。
よく考えて大切につかえば、幸せになる手助けをしてくれますが粗末に扱えばあとでしっぺ返しがきてしまいます。

「お金」があれば幸せで、なければ幸せになれないと考えがちですが 内閣府の調査では1964年から2008年までの44年間で 経済の成長率をしめすGDP(国内総生産)は一人当たり4倍にあがっていますが、 幸福度は上がっていないのです。 お金やモノについて、「持っていないこと=不幸」ではないと 肝に銘じておいたほうがいいと感じています。 (内閣府「国民生活に関する世論調査」「国民経済計算」)

貧しいかどうかを決めるのは、自分が満足しているかどうかで、 自分が幸せだと感じることは自分の中にあります。 あふれる情報の中ではなく、自分の中にあって、ひとそれぞれ違います。 「お金」に振り回されて、自分の幸せを見失って いないか立ち止まって考えてみたいと思います。

第12回  寅さんにみる幸せとお金 元木 圭子

故渥美清さん主演の映画「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の劇中、駅前の焼鳥屋で飲んでいたみすぼらしい老人が無銭飲食をとがめられるのを見た寅さん、かわいそうに思って支払いを肩代わりして家につれて帰ります。一宿一飯の恩義にと落書きのようなものを渡す老人。ところがこの老人は日本を代表する青観画伯だったのです。

神田の大雅堂でこの落書きに7万円の高値をつけられ腰を抜かす寅さん。 それから数日後、寅さんは兵庫県の竜野で青観に偶然再会し、ある宴席で「ぼたん」という美しい芸者に出逢い意気投合します。数か月後、ぼたんは寅さんを訪ねて上京します。苦労して貯めた200万円の大金をある男に貸したまま逃げられたので東京に探しに来たと身の上話をします。義侠心に燃えた寅さんは立ち上がりますが、相手からお金を返してもらうことはできません。ぼたんは「その気持ちだけで嬉しい」と涙を流します。そこで、寅さんは青観に絵を描いてもらって金にしようと相談を持ちかけますが「金のために絵を描くことはできない」とはねつけられます。
旅に出る寅さん。しばらくしてふたたび竜野を訪れた寅さんはぼたんに会います。ところが、ぼたんのところに青観から美しいぼたんの花の絵が届けられていたのです。 「うち、この絵は絶対に売らん。だれに頼まれても売らへんのや、お金やないんや」と絵を抱きしめるぼたんさんが印象的です。お金を騙し取られても、自分の人生をしっかりと歩み始めることができたのは、寅さんや青観先生の人情と優しさにふれたからかもしれません。

お金はないけれど、悲喜交々の人生の中で寅さんはいつも幸せそうです。 ぼたんさんを騙した相手は、高価なマンションに住み、レストランなどを多角経営する事業家です。たくさんお金があるこの人が幸せな成功を手に入れたとは言い難いと思います。お金があることだけが幸せではない、お金を何のために、また、誰の為に使うのか、それをしっかりと自分の生き方に表すことが大切なのだということを寅さんに学んだように思います。